受講生の声 – 第1期生(2025年)

〈第1回〉リーダーシップ

ひとがひとを管理する~マネジメント・リーダーシップの難しさ~

【講師】石井 仁

自身がリーダー経験でとても悩んでいる時期だったのでとてもタイムリーに、痒いところに手が届くような時間でした。

教育のお話がとても興味深かったです。後輩を育てるためには、自分が仕事を奪わず、見守ることが大切だと学べました。今回の講義を活かして、将来は周りへの感謝や配慮を忘れず、目的・目標を共有して活動を進められるリーダーになりたいです。

リーダーシップには、「後人を育てる」という人材育成が大切で、その結果として、有事の時に、誰もがリーダーシップ・マネジメントが出来る状態をつくっておくことが理想だというお話を伺い、今までの自分に足りなかった部分はここだったのだと気付かされました。

〈第2回〉コミュニティホスピタル

若手医師が選んだ総合診療と中小病院というキャリアの選択

【講師】近藤 敬太

「中小病院がコミュニティホスピタルとしてなぜ機能できるのか」を理解できました。また、医療者視点、病院経営視点の両方の視点が入っていた点がとても面白かったです。さらに、個人の生い立ちやモチベーションについて具体的に教えていただき、自分の将来をどうしたいかを本気で考えるきっかけになりました。

行動規範や総合診療への想いを具体的に聞くことができた上、コミュニティホスピタルの概念理解および議論の射程を把握することができたので、非常に勉強になりました。活気付いてはきているものの、九州はいまだに医療過疎地域が多いため、総合診療をインフラ化する発想を行政機関とも共有しながら、安心して生活できる街づくりに貢献できたらと思いました。

初期研修の選び方やその先のキャリアの進み方のお話が印象的でした。私は将来結婚して子どもを育てたいと思っているので、育児の時間が増えるとますます医師として働く時間は短くなると思います。将来的に地域医療に携わりたいと思っていますが、「都市部の大きな病院で症例を経験してから地域に出るのが普通なのでは」と先輩に言われてから、そのようなキャリアを考えていました。しかし、今回の講義を聞いて、時間は限られているので、最初から自分のやりたいことをすべきだと考えるようになれました。時間の使い方、やりたいことの優先順位について考える貴重な機会でした。

〈第3回〉医療DX

医療DX ~ 現在地点と社会実装

【講師】小西 竜太

医療DXの全体像とトランスフォーメーションの重要性を理解できました。実務家ならではの現場の苦労も感じました。また、キャリアの話がとても面白かったので、ぜひその部分ももっと深掘りいただけたらと感じました。

想像がつくことは何でもできるであろう「D」の部分とそれを実際に入れて変革していく「X」の部分と、とても理解が進みました。また、スプレッドシートへのリアルタイムでの書き込みは順番に聴講生が話すよりも同時に多くの意見をみることができ、とても良かったです。

トランスフォーメンションのイメージを具体的に持つことができました。「その先に何が待っているのか」、「次のパラダイスシフトは何なのか」を想像してみましたが、まだ答えは分かりません。臨床力を前提として、「異なる分野にアンテナを張る」、「未知のことを想像する」、「俯瞰的に考える」ことの大切さも認識できました。

〈第4回〉人材・組織開発

“現場発”の人材開発 —医療人・組織人としての成長を支援する—

【講師】西川 泰弘

事務職の方の人材開発について知らないことが多く、非常に新鮮でした。学会発表などを推奨することで組織内での学びの蓄積や成長の実感が得られるのは非常に良いアプローチだと感じました。また、参考文献一覧を提示いただいたのも今後の学習の参考になるのでとても有用だと思いました。

前半パートでは、病院の人事とは何かを具体性を持って理解できたことが良かったです。後半パートでは初期研修に向けた心構えを考えるヒントになりました。また、もし可能であれば、病院の人事評価や人材育成の中で特に苦労したこと・失敗したこと・軋轢など、「ヒト対ヒトのリアルな話」も聴けたら、受講生としてより学びが深まると思いました。

人材開発の理論と病院における具体的な取り組みについて、これまでのご経験やお考えを踏まえたリアルなお話を伺うことができ、大変勉強になりました。事前資料を活用した講義中のやり取りや、「講義」と「インタビュー」の二部構成など、研修・教育に携わっていらっしゃるからこその工夫が随所に見られ、人に教える方法を考える上でも非常に参考になりました。

〈第5回〉まちづくり・ポジショニング

なぜ、まちづくりが競争優位になるのか

【講師】藤井 将志

病院がまちづくりをする必要があるのかというテーマは非常に興味があったため、今回の講義をとても楽しみにしておりました。藤井さんなりの理由や、他の学生の意見も交えて自分も深く考えることができたので、とても有意義な時間になりました。一方、地域づくりの事例の多くに「自分が実際に行動する際にどう落とし込めばいいのか分からない」とも感じました。事例のみならず、1つ1つのプロセスも知ってみたいです。

非常に多様でたくさんの取り組みをなさっていて驚きました。病院に実際に足を運んでみたいと思いました。自分自身、様々な地域活動に取り組みながらも、その意味付けや価値の捉え方に自信を無くしていたところでした。しかし、今日の講義を通して、「楽しそうな背中を見せる人間は魅力的に映る」こと、「活動を周りで見てくれている人々との関わりが何よりも大きな財産となる」こと、そして「研究などを通してその価値を証明することが活動を継続するための自信や資源につながる」ことを学び、明るい気持ちになれました。

まちづくりの楽しさを感じられる講義でした。将来的に病院経営を一つの目標にしておりますが、その中で「街まで丸ごといろいろやってみよう」という藤井さんのお話がとても興味深く、驚きました。また、自分から全部の事業を積極的に始めた訳ではなく、「できたご縁から少しずつその縁を広げていき、話が大きくなっていった」というお話が印象的でした。

〈第6回〉災害医療・BCP

今 求められる災害医療について

【講師】久野 将宗

災害医療の基本的な考え方やその歴史的な変遷について学ぶことができ、個人としても、将来病院運営に携わる際にも大変参考になる内容でした。医療が日々進歩する中で、災害医療も災害の経験を重ねるごとに改善され、新たに生じる課題に対して行政を含め、多方面でシステマチックに取り組まれている点が特に印象的でした。

熊本地震についてのお話の中であったように、障害を持つ方など「普通に避難するのが難しい方に対する医療はどのようになっているのか?」が気になりました。また、将来 在宅医療に携わりたいと思っていることから、災害時、人工呼吸器がついてたり、自力では動けない患者さんの対応に際して、在宅医がどのように関わるのかも学びたいと思いました。さらに、「DMATなどで外部から入る医者がその地域で元々働く医師とどのように連携するのか?」も知りたいと思いました。

災害医療というと国試的にはトリアージの印象が強くて、それ以外のことはあまり考えてきませんでしたが、今回の講義を通じて考えなければならないことが山ほどあることを学びました。個人的に印象に残っているのは、地震の継続時間と被害規模の関係についてです。今回の学びを活かして、実際に災害が起きたとしたら冷静で的確な行動ができるようになりたいなと思いました。

〈第7回〉医療安全

医療安全(患者安全)について考えてみよう

【講師】平松 真理子

医療安全の講義は大学でもありましたが、正直よく分からずあまり真剣に聞いていませんでした。しかし、平松さんの講義にて実際の医療事故の事例や質問を提示してくださったことで、医療安全について自分ごととして考えることができました。インシデントレポートは小さなことでも書く習慣を身につけます。

医療安全について非常に分かりやすい講義をしていただきありがとうございました。チャットを使った双方向の進め方で話を聞きやすかったです。「医療事故の当事者はいい風に考えてしまうため、第三者を入れることが大切」ということが印象に残っています。また、今ほどワークライフバランスの認識がない頃、家庭も仕事もどっちも取ってこられた先生のキャリア像がとてもカッコいいと感じました。

とても密度が高い講義でした。これまで学校でも医療安全の講義は受けてきましたが、それら全てを統合し発展させたかのような内容でした。チャットで答える質問で皆さんの意見がたくさん聞けて楽しかったこと、具体的な事例を紹介いただいたことによりリアリティが増し集中力を切らさずに最後まで聴けたこと、内容→キャリアの順にすることで先生のキャリアについてより一層興味を持って伺えたこと、が特に良かったです。私はずっと臨床をしたいと思っていますが、最低10年というのも先生のキャリアからとても説得力のある数字でした。ありがとうございました。